鉄工所で製品を作るとき、「溶接が終わったら塗装まで含めて納品する」という案件は少なくありません。塗装の品質は製品の見た目だけでなく耐久性にも直結するため、基本的な知識は鉄工所の必須スキルといえます。
私自身、簡単な錆止め塗装は自社でこなし、特殊な塗装や焼付け塗装は外注に出すようにしています。この記事では、鉄工所の塗装に必要な基礎知識を「塗料の種類」「基本工程」「道具」「安全対策」の順にまとめました。

塗装って難しそうに見えるけどな、基本さえ押さえたら錆止めくらいは自分でできるようになるで!
基本を理解すれば、簡単な錆止め塗装は自社で対応できるようになり、外注コストの削減にもつながります。
鉄工所における塗装の3つの目的
塗装は単なる「色付け」ではありません。鉄工所の塗装には大きく3つの目的があります。
- 防錆・保護:鉄を錆から守り、製品の寿命を延ばす
- 美観の向上:製品の見た目を整え、仕上がりの質を高める
- 機能付加:耐熱・耐薬品・滑り止めなど、用途に応じた機能を持たせる
特に鉄工所では「防錆」が最重要です。せっかく精度よく作った製品も、錆びてしまえば価値が大きく下がってしまいます。
塗料の種類を理解しよう

塗料は性質ごとに種類が分かれており、用途に合わせて使い分けるのが基本です。
①錆止め塗料(防錆プライマー)
塗装の下塗りに使う塗料です。鉄の表面に密着して錆の発生を防ぐのが主な目的で、仕上げ塗料の密着性も高めてくれます。
代表的な製品は、日本ペイント「スーパー防錆プライマー」や関西ペイント「ハイポン50ファイン」など。主剤と硬化剤を混ぜる2液性の高耐久タイプもあります。
②油性塗料(溶剤系)
有機溶剤(シンナー)を使った塗料です。乾燥が速く、耐水性・耐久性が高いのが特徴で、鉄工所の仕上げ塗装によく使われます。ただし臭気や引火性があるため、換気・防火への配慮が欠かせません。
③水性塗料
水を溶媒とした塗料です。臭気が少なく環境にやさしいのが魅力で、DIY用途で広く使われています。耐久性は溶剤系に劣る製品が多いものの、近年は高性能な水性塗料も増えています。
④特殊塗料
用途に合わせた特殊な塗料もあります。
- 耐熱塗料:高温になる排気管・バーベキューグリルなどに使用
- 耐薬品塗料:化学薬品・酸・アルカリに接触する部位に使用
- フッ素塗料:高耐久・耐候性が必要な屋外構造物に使用
- 缶スプレー塗料:小物・補修塗装に手軽に使える
塗装の基本工程|「下地が9割」


ええか、塗装で一番大事なんは塗る前の下地処理や。ここをサボったら、どんなええ塗料使うても剥がれてくるで。
塗装は次の工程で進めます。なかでも最初の「素地調整」が仕上がりを大きく左右します。
①素地調整(下地処理)
塗装前の最も重要な工程です。サビ・黒皮・油汚れ・旧塗膜を除去し、清潔な金属面を出します。グラインダー・サンダー・サンドブラストで研削するか、シンナーで油分を拭き取ります。
「塗装は下地が9割」と言われるほど重要で、下地処理が不十分だと、どんなに良い塗料を使っても剥がれや錆が発生してしまいます。
②脱脂
素地調整後、シンナーや脱脂剤で鉄表面の油分を完全に除去します。手で触れた指紋の油でも塗料の密着を妨げるため、素手での接触は厳禁です。
③下塗り(プライマー塗布)
錆止めプライマーを塗布します。刷毛・ローラー・スプレーガンで均一に塗り、乾燥時間をしっかり守ることが重要です。
④中塗り(必要な場合)
下塗りと上塗りの間に中塗り(サーフェーサー)を行う場合があります。仕上がりの平滑性を上げるための工程です。
⑤上塗り(仕上げ塗料)
仕上げ塗料を塗布し、色・光沢・耐久性のある仕上げ面を作ります。薄く均一に塗るのがポイントで、厚塗りは垂れや気泡の原因になります。
塗装に使う道具

道具選びもほんま重要やで。ええ道具を使うたら作業効率が全然ちゃう!
- 刷毛(ハケ):細部・小物塗装向き。安価で入手しやすい
- ローラー:平面の広い面積を均一に塗るのに向く
- スプレーガン:均一できれいな仕上がりが得られる。コンプレッサーが必要
- 缶スプレー:小物・補修塗装に手軽に使える
塗装時の安全対策

塗装には引火・中毒のリスクが伴います。次の点を必ず守りましょう。
- 有機溶剤(シンナー)を使う場合は十分に換気する(引火・中毒防止)
- 防毒マスク・保護メガネ・手袋を着用する
- 近くに火気(溶接・グラインダーなど)がある場合は塗装しない
まとめ|鉄工所の塗装は下地処理がすべて
鉄工所の塗装は「下地処理がすべて」といっても過言ではありません。要点を整理します。
- 塗装前のサビ除去・脱脂を徹底する
- 下塗り(錆止めプライマー)→上塗りの順で塗る
- 薄く均一に塗ることを心がける
- 有機溶剤の取り扱いには安全注意を払う
塗装は地味な工程ですが、製品の価値を大きく左右します。基本をしっかり身につけて、クオリティの高い仕上がりを目指しましょう。
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最終的には自分の現場に合うたもんを選ぶのが一番や!ぜひ参考にしてみてくれ!
加工とは何か?溶接・鉄工所での仕事内容を現役経営者がわかりやすく解説のアイキャッチ画像.png)

