前回の記事で「次は工具一式リストを公開する」と予告したので、今回はそれを実行する。
どうも!鉄工所の親方です!

今回は現場で実際に使ってみた感想を、正直にまとめてみたで!
鉄工所を開業しようとすると、「何を揃えればいいかわからない」という壁にぶつかると思います。
ネットで調べても、メーカーのカタログみたいな情報ばかりで、実際に現場で何が必要なのかがわかりにくい。
この記事では、自分が鉄工所を立ち上げるときに実際に揃えた工具を、優先度順に紹介します。
「これがないと仕事にならない」というものから順番に並べたので、これから開業を考えている人は参考にしてほしいです。
最優先で揃えるべき工具(これがないと仕事にならない)
1. 溶接機(半自動溶接機)
鉄工所の心臓部。これがなければ始まらない。
半自動溶接機(CO2/MAG溶接)は、鉄工所の仕事の8割以上をカバーできる。パナソニックやダイヘンが定番メーカーで、出力は350A〜500Aクラスを選んでおけば、薄板から厚板まで幅広く対応できる。
前回の記事でも書いたが、溶接機だけは新品をおすすめする。中古は前のオーナーの使い方次第で状態が読めないし、毎日使うものだからトラブルが起きると仕事が完全に止まる。
ワイヤー送給装置やトーチ、ガスボンベ(CO2)も一式必要になるので、セットで見積もりを取るのがいい。
目安予算:50万〜150万円(新品)
2. グラインダー(ディスクグラインダー)
溶接のビード仕上げ、切断、バリ取り、面取り。鉄工所で一番使用頻度が高い工具といっても過言ではない。
100mm径と125mm径の2種類があれば大抵の作業に対応できます。
マキタや日立工機(現HiKOKI)が耐久性の面で信頼できる。
最低でも2〜3台は用意しておきたい。
砥石を付け替える手間を省くために、切断用・研磨用・仕上げ用と分けて使うのが現場では普通だ。
目安予算:1台あたり1万〜3万円 × 3台 = 3万〜9万円
3. 高速切断機(高速カッター)
鋼材の切断に使います。
アングル、チャンネル、角パイプ、丸棒など、材料を長さに切り出す作業は毎日発生する。
刃径305mmか355mmが一般的。日立工機(HiKOKI)や新ダイワが定番。バイスの精度が仕上がりに直結するので、安物は避けたほうがいいとおもいます。
目安予算:5万〜15万円
4. ボール盤
穴あけ加工は鉄工所の基本作業のひとつ。
ハンドドリルでも穴は開くが、精度と効率を考えるとボール盤は必須。
卓上型でも十分だが、作業量が多いなら床置き型を検討してもいい。キラやオークマなどの国産メーカーが精度面で安心。
目安予算:5万〜20万円
開業後すぐに必要になる工具
5. バンドソー(帯鋸盤)
高速切断機では対応しにくい厚板や大径パイプの切断に使います。
受注する仕事内容にもよると思いますが、早くて、切断面がきれいなので、後工程の手間が減ります。
アマダや新ダイワが有名。中古市場にも出回りやすいので、状態のいい中古を狙うのもあり。
目安予算:30万〜100万円(中古なら10万〜50万円)
6. TIG溶接機
半自動では対応しにくい薄板やステンレス、アルミの溶接に使います。
見た目の仕上がりがきれいなので、外観品質を求められる仕事には欠かせない。
ダイヘンやパナソニックの200A〜300Aクラスで十分。
アルゴンガスのボンベも必要になります。
最初から必須ではないですが、仕事の幅を広げるなら早めに導入したいところ。
取引先から「ステンレスできる?」と聞かれたときに「できます」と即答できるかどうかで、受注の可能性が変わる。
目安予算:30万〜80万円(新品)

道具選びって、ほんまに重要やで。いい道具を使ったら作業効率が全然違う!
7. シャーリング(せん断機)
鋼板の直線切断に使う機械。
鉄板をまっすぐ切るならこれが最も速くてきれい。
能力は板厚と切断長で選びます。
6mm × 2,000mmクラスがあれば一般的な鉄工所の仕事はカバーできます。
アマダやコマツが定番。
ただし、場所を取るので工場のスペースとの兼ね合いで検討する必要がある。
目安予算:中古で30万〜100万円
8. プレスブレーキ(曲げ加工機)
鋼板の曲げ加工に使う機械。
箱もの製作や製缶の仕事では必須です。
シャーリングと同様に場所を取る大型設備なので、工場のレイアウトと仕事内容を見て判断しましょう。
アマダが圧倒的なシェアを持っています。
目安予算:中古で50万〜200万円
見落としがちだけど必要な周辺工具
ここまで大型工具を紹介してきましたが、実際に仕事を始めると細かい工具も大量に必要になります。
全部は書ききれないので、特に重要なものだけ挙げておきます。
- スケール・コンベックス:測定の基本。タジマやシンワの5.5mが使いやすい
- スコヤ・直角定規:溶接の直角出しに毎回使う
- 水平器:据え付け工事では必須
- クランプ類(C型、F型、バイスプライヤー):仮付け溶接の必需品。数は多めに揃えておいて損はない
- ケガキ針・ポンチ:穴あけ位置の印付けに使う
- タップ・ダイス:ねじ切り加工用。M6〜M16くらいは一式揃えておきたい
- 安全保護具(溶接面・保護メガネ・革手袋・安全靴):自分の身を守る道具は最初にケチるところではない
工具を揃えるときの考え方
一気に全部揃えない
前回の開業費用の記事でも触れたが、工具は最初から全部揃える必要はないです。
「今すぐ必要なもの」と「仕事が入ってから揃えるもの」を分けて考えることが大事。
溶接機・グラインダー・高速切断機・ボール盤の4つがあれば、鉄工所としての最低限の仕事は受けられます。
バンドソーやTIG溶接機は、実際に仕事をしながら「これが必要だ」と感じたタイミングで導入すればいいと思います。
中古を上手に活用する
溶接機以外は中古で十分なケースが多いです。
ヤフオク、機械屋の在庫、廃業する鉄工所からの買い取りなど、探す手段はいくつかあります。
ただし、中古を買うときは必ず現物を確認すること。
特にシャーリングやプレスブレーキなどの大型機械は、刃の状態や油圧の漏れをチェックしないと、修理代で結局高くついたりします。
メンテナンスを前提に考える
工具は消耗品です。
グラインダーの砥石、溶接機のチップやノズル、バンドソーの替刃など、ランニングコストも計算に入れておくべき。
「本体は安く買えたけど、消耗品が高い」というパターンもあるので、購入前に消耗品の入手性と価格もチェックしておくといいです。
まとめ:まずは最低限から、仕事に合わせて拡充する
鉄工所に必要な工具をまとめると、最低限のスタートラインは以下の4つ。
- 半自動溶接機
- ディスクグラインダー(複数台)
- 高速切断機
- ボール盤
この4つで最低限の仕事は始められます。
合計で60万〜200万円くらいが目安。
そこから仕事の幅を広げるなら、TIG溶接機、バンドソー、シャーリング、プレスブレーキと順番に揃えていくのが理想です。
全部新品で揃えると数百万円になるが、中古をうまく使えばかなり抑えられる。
大事なのは「持っている工具で何ができるか」を把握して、受けられる仕事を着実に広げていくことだ。
次の記事では、実際の現場で使える溶接のコツや、品質を上げるためのポイントについて書く予定です。
経験者の人も初心者の人も、参考になる内容にするのでぜひチェックしてください。

最終的には自分の現場に合ったものを選ぶのが一番やな!ぜひ参考にしてみてくれ!


