現場でクタクタになって帰ってきて、夜は領収書の山と格闘――。
確定申告の時期になると、そのしわ寄せが一気に押し寄せる。
インボイスだの電子帳簿保存法だの、よく分からないまま放置している。
鉄工所や金属加工の一人親方なら、心当たりがあるはずです。
その「事務にかける時間」を、本業か休憩に回すための道具が、クラウド会計ソフトです。
銀行口座やクレジットカードとつなげば、明細を自動で取り込んで仕訳まで提案してくれる。
法改正があってもソフト側が自動でアップデートしてくれるので、自分で追いかける必要もありません。
この記事では、個人事業主に定番の3社――
弥生・freee・マネーフォワードを、鉄工所の親方目線で比較します。
料金、使いやすさ、向いている人を整理したうえで、「結局どれを選べばいいか」までお伝えします。

ワシは数字が大嫌いや。
けどな、どんぶり勘定で痛い目見たヤツを何人も知っとる。
今どきのソフトは、銀行とつないだら勝手に仕分けしよるんやで。ええ時代になったもんや。
なぜ今クラウド会計なのか

会計ソフトには、パソコンにインストールして使う「インストール型」と、ネット上で使う「クラウド型」があります。
一人親方にクラウド型をすすめる理由は、大きく3つあります。
① 法改正に自動で対応してくれる
確定申告まわりのルールは、ここ数年とにかく変化が激しい。
インボイス制度、電子帳簿保存法、そして消費税の経過措置。
たとえばインボイスの仕入税額控除は、2026年10月から控除割合が80%から50%に下がる段階に入ります。
クラウド型なら、こうした改正にソフトが自動で対応してくれます。
手書きや古いインストール型では、こうした変更を自分で把握して対応しなければなりません。
② 銀行・カード連携で入力が激減する
口座やクレジットカードを登録しておけば、明細が自動で取り込まれ、AIが勘定科目まで提案してくれます。
レシートもスマホで撮影すれば読み取ってくれる。
手入力の手間が大きく減るので、現場仕事のあとでも負担が軽い。
③ スマホでもパソコンでも、どこでも使える
データはネット上にあるので、現場の休憩中にスマホで経費を入力、夜は自宅のパソコンで確認、といった使い方ができます。

法律がコロコロ変わるのに、いちいち自分で追いかけてられるかいな。
そこはソフトに任せて、こっちは鉄叩いとったらええ。
それで申告までできるなら安いもんや。
比較する3社の基本スタンス
まず、3社のキャラクターをざっくりつかんでおきましょう。
- 弥生(やよいの青色申告 オンライン)… 個人事業主向けクラウド会計で長年高いシェアを持つ定番。コストを抑えやすく、電話サポートも手厚い。簿記をある程度知っている・とにかく安く始めたい親方向け。
- freee会計 … 簿記知識ゼロでも使える設計が売り。スマホでレシートを撮ればAIが仕訳候補を作る。自動化重視・スマホで完結したい親方向け。
- マネーフォワード クラウド確定申告 … 金融機関連携の数が多く、会計・請求・経費をまとめて管理できる。簿記の知識がある・連携重視・コスパ重視の親方向け。
料金を比較する(2026年時点・個人事業主向け・税抜)
ここが一番気になるところでしょう。
各社とも複数プランがありますが、一人親方が青色申告65万円控除+インボイス対応を狙うなら、最安プランでは機能が足りないケースが多い点に注意が必要です。
弥生(やよいの青色申告 オンライン)
2026年1月に料金改定がありました。現在のプランは以下の通りです。
- セルフプラン:初年度0円/次年度10,300円
- ベーシックプラン:初年度0円/次年度17,250円(操作サポート付き)
- トータルプラン:初年度15,000円/次年度30,000円(業務相談まで可)
すべてのプランで青色申告・インボイス・電子帳簿保存法に対応しているのが強みです。
初年度無料で始められるので、まず触ってみたい親方には入りやすい。
freee会計
- スターター:年額11,760円(月額980円)
- スタンダード:年額23,760円(月額1,980円)
- プレミアム:年額39,800円
注意点があります。
最安のスターターは白色申告のみで、青色申告に非対応。
さらに消費税申告にも未対応です。青色65万円控除やインボイス対応を求めるなら、実質スタンダード以上がスタートラインになります。
マネーフォワード クラウド確定申告
- パーソナルミニ:年額10,800円(月額900円)
- パーソナル:年額15,360円(月額1,280円)
- パーソナルプラス:年額35,760円(電話サポート付き)
こちらも注意点が。
最安のパーソナルミニは消費税申告に非対応。
インボイス対応で消費税申告が必要なら、パーソナル以上が必要になります。

「月900円から」言うても、それは一番安いプランの話や。
インボイスやら65万円控除やらをちゃんとやろう思たら、結局その上のプランがいる。
広告の安い数字だけ見て飛びついたらあかんで。
機能・使いやすさで比較する
簿記の知識がいるか
- freee … 簿記を知らなくても、画面の指示に沿って入力すれば申告書まで作れる設計。会計初心者にやさしい。一方、独自のUIなので、簿記に慣れた人はかえって戸惑うことも。
- マネーフォワード … 従来の会計ソフトに近い仕訳の考え方。簿記をある程度知っている人ほどスムーズ。
- 弥生 … その中間。シンプルで迷いにくく、初心者からある程度分かる人まで幅広く対応。
自動化・スマホ対応
3社ともスマホアプリでレシート撮影・自動仕訳に対応しています。
とくにfreeeはスマホ完結を強く打ち出しており、現場で経費をその場で処理したい親方と相性が良い。
マネーフォワードは連携できる金融機関の数が多いのが特徴です。
サポート体制
- 弥生 … 電話サポートが手厚いと評判。プランによって電話・チャット・メール、業務相談まで選べる。
- freee … 電話サポートは最上位のプレミアムのみ。スタンダード以上で優先チャット・メール対応。
- マネーフォワード … 電話サポートは最上位のパーソナルプラスのみ。チャット・メールは各プランで利用可。
比較表まとめ
| 項目 | 弥生 | freee | マネーフォワード |
|---|---|---|---|
| 最安プラン | 初年度0円(セルフ) | 年11,760円(スターター) | 年10,800円(パーソナルミニ) |
| 青色65万円控除 | 全プラン対応 | スタンダード以上 | 全プラン対応 |
| 消費税・インボイス | 全プラン対応 | スタンダード以上 | パーソナル以上 |
| 簿記知識 | 不要〜ある人まで | 不要でOK | ある人向き |
| 電話サポート | 手厚い(プランによる) | プレミアムのみ | パーソナルプラスのみ |
| 向いている人 | コスト重視・安心感 | 自動化・スマホ完結 | 連携重視・コスパ |
※料金・プラン内容は変動します。
導入前に必ず各社の公式サイトで最新情報をご確認ください。(2026年時点・税抜)
選び方の結論:鉄工所の親方ならどう選ぶ
判断軸はシンプルです。
次の順番で考えると迷いません。
① まず「経理の知識があるか」で分ける
簿記がさっぱり分からない、とにかくラクしたいなら freee。
多少なりとも帳簿の感覚があるなら マネーフォワード か 弥生。
② 次に「コスト」を見る
とにかく安く、まず無料で始めたいなら 弥生(初年度0円)。
コスパ重視で青色もインボイスもこなしたいなら、年15,360円の マネーフォワード パーソナル がバランス良し。
③ 「税理士が使っているソフト」も確認する
すでに税理士に頼んでいる、または将来頼む予定があるなら、その税理士が使っているソフトに合わせると連携がスムーズです。
これは見落としがちですが、地味に効きます。
鉄工所の一人親方の多くは、「現場が忙しくてスマホで片付けたい」か「とにかくコスト最優先」のどちらか。
前者なら freee、後者なら弥生、その中間でバランスを取るならマネーフォワード、というのが現実的な落としどころです。

税理士に丸投げもええけど、自分の商売の数字くらい、ざっくりでも把握しとかなあかん。
ソフトはその第一歩や。
3社とも無料で試せるんやから、まず触ってみい。
損はせんで。
まとめ:まず無料で1社、触ってみる

クラウド会計ソフトは、現場仕事に追われる一人親方の「事務時間」を削るための道具です。
3社それぞれに得意・不得意があり、唯一の正解はありません。
大事なのは、自分の経理スキルとコスト感覚に合うものを選ぶこと。
- 簿記が苦手・スマホで完結したい → freee
- とにかく安く・まず無料で → 弥生
- 連携重視・コスパのバランス → マネーフォワード
3社とも無料お試し(または初年度無料)があります。
広告の最安値だけで判断せず、青色控除やインボイス対応に必要なプランまで含めて確認したうえで、まず1社、実際に触って手応えを確かめてみてください。

ええか、確定申告は毎年来るんや。
一回ラクする仕組みを作っといたら、来年からの自分が助かる。
今年の自分が、来年の自分に楽させたれ。それが一番の節約やで。
※本記事の料金・プラン内容は2026年時点・税抜表示です。各社とも料金改定やプラン変更があるため、契約前に必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。
※税務上の判断や個別の申告内容については、税理士など専門家にご相談ください。本記事は一般的な情報提供であり、特定の申告手続きを保証するものではありません。


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