鉄工所の一人親方の1日|作業・営業・事務をどう回しているかリアルに公開

鉄工所の一人親方の1日のタイムスケジュールを表すイラスト。中央の時計に作業着姿の親方キャラクターが立ち、周囲を溶接・営業電話・現場移動・休憩・事務作業など8つのアイコンが取り囲んでいる。 鉄工所の日常

「一人親方って実際、1日どんな感じで働いているの?」

「作業以外の時間って、いつどうやって作ってるの?」

これから独立を考えている職人さんや、同業の一人親方さんから、よくこんな質問をいただきます。

そこで今回は、鉄工所を経営する現役の一人親方である自分の1日を、朝の起床から夜の就寝までタイムスケジュール形式でリアルに公開します。

この記事を読むとわかること

  • 鉄工所の一人親方が1日に何時間・何にどれくらい時間を使っているか
  • 工場作業の日/現場仕事の日/事務営業の日、それぞれのスケジュール
  • 限られた時間で作業・営業・事務を回すための具体的な工夫
  • 一人親方が時間を作るために実際に使っているツールやサービス

この記事を書いた人

鉄工所の親方(@san-noji)
地方で小さな鉄工所を経営する現役の一人親方。鉄工歴15年以上、独立3年目。溶接・機械加工・現場仕事をすべて自分でこなしながら、経営・営業・経理まで担当している。このブログでは、現場でしかわからない「一人親方のリアル」を発信中。

どうも!鉄工所の親方です!

親方
親方

鉄工所のリアルな日常を紹介していくで!

一人親方の最大の悩みは「全部自分でやらなければならない」ことだ。

作業、営業、見積もり、材料手配、経理、請求書の発行、現場の掃除まで。

正直、24時間では足りないと感じる日が多い。

この記事では、自分がどうやって1日の中でこれらをこなしているかを、タイムスケジュール形式で紹介していきます。

これから独立を考えている人は、「一人親方の1日ってこんな感じなのか」というイメージをつかんでいただけると幸いです。


工場作業がメインの日のスケジュール

まずは、一番多いパターンである「終日、自分の工場で作業する日」のスケジュールを紹介します。1週間のうち3〜4日はこのパターンです。

【朝】6:00〜7:00|起床と朝の段取り

6:00 起床。朝食を食べながら、スマホでメールとLINEをチェック。

 取引先からの連絡が夜のうちに入っていることがあるので、朝一で確認しておく。

 急ぎの案件があれば、この時点で頭の中で段取りを組み直す。

6:45 自宅を出発。工場までは車で約15分。移動中にその日の作業の優先順位を考える。

7:00 工場に到着。作業着に着替えて、まず工場内をざっと見回す。

 前日の作業の続きがどこまで進んでいるか、材料の在庫は足りているか、工具の状態に問題はないかを確認。

【午前】7:15〜12:00|1日でいちばん集中できる時間

7:15〜12:00 午前の作業。ここが1日で一番集中できる時間帯だ。

 溶接や切断など、精度が求められる作業はできるだけ午前中にやるようにしている。

 午前中に集中できる理由は単純で、まだ体力が残っていて、電話や来客の邪魔が比較的少ないからだ。

 ただし、材料屋や取引先からの電話は午前中にかかってくることが多いので、その対応で作業が中断されることも。

【昼】12:00〜12:45|昼休憩は事務作業のゴールデンタイム

12:00〜12:45 昼休憩。弁当を食べながら、メールの返信や見積もり依頼の確認をする。

 この時間に翌日以降の材料発注をすることも多い。

 完全に休めるわけではないが、午後の作業に響かない範囲で頭を切り替える。

【午後】12:45〜18:00|単純作業&仕上げの時間

12:45〜18:00 午後の作業。グラインダー仕上げや組立など、比較的単純な作業を中心に。

 午後は集中力が落ちてくるので、危険な作業や精密作業は避けるようにしている。

 夕方になると、追加の電話や急な見積もり依頼が入ることも多い。

18:00〜18:30 片付けと翌日の準備。明日使う材料や図面を出しておく。

【夜】19:00〜22:00|事務作業とブログ更新

19:00 帰宅。夕食を食べて、風呂に入って、少しだけテレビを見る。

20:00〜21:00 残りの事務作業やメール対応。翌日の段取りを最終確認して、1日が終わる。

 このブログの記事を書くのもこの時間帯だ。

22:00 就寝。体力仕事なので、早く寝ないと翌日に響く。


現場仕事がある日のスケジュール

取引先の工場や建設現場に出向いて作業する日もある。この日のスケジュールは工場作業の日とはかなり異なります。

【早朝】5:30〜7:00|出発と移動

5:30 起床。現場が遠い場合は早起きになる。

6:00 自宅を出発。現場までの移動時間は案件によってバラバラだが、片道30分〜1時間程度が多い。

 遠い現場だと1時間半かかることもある。

【朝礼〜午前】7:00〜12:00|現場ペースに合わせる作業

7:00〜7:30 現場到着。朝礼がある現場ではまず朝礼に参加する。

 新規入場の場合は安全書類の提出や現場のルール説明を受ける。

7:30〜12:00 午前の作業。現場では工場と違って自分のペースで作業できないことが多い。

 他の業者さんとの兼ね合いで待ち時間が発生したり、作業スペースが限られたりする。

【昼〜午後】12:00〜17:30|段取りと現場対応

12:00〜13:00 昼休憩。現場の休憩所で昼食。

 この時間を利用して工場の協力会社に連絡を入れたり、材料の手配をしたりする。

13:00〜17:00 午後の作業。現場仕事は17時きっちりに終わることが多い。

 これは現場のルールで決まっている場合がほとんどだ。

17:00〜17:30 片付け・撤収。工具の片付けと現場の清掃をして撤収する。

【帰路〜夜】17:30〜|帰宅後の事務作業

17:30〜18:30 移動。工場に寄って翌日の準備をすることもあるし、直帰することもある。

19:00以降 帰宅後の事務作業。現場仕事の日は体力的にさらにきついが、事務作業は待ってくれない。

親方
親方

現場仕事の日は、工場での自分の作業が止まるのが痛いんや。

現場仕事が入る週は、前後の日で工場作業の遅れを取り戻す必要がある。


事務・営業に集中する日のスケジュール

月に2〜3回は、作業をせずに事務や営業に集中する日を意図的に作っています。

【午前】8:00〜12:00|見積もり・請求書発行

8:00 工場で事務作業スタート。請求書の発行、見積もりの作成、入金確認など、机に向かう仕事を一気に片付ける。

 見積もりは集中して作らないとミスが出るので、まとめて作る時間を作っている。

 1件あたり30分〜2時間かかる。

12:00〜13:00 昼休憩。

【午後】13:00〜17:00|営業活動と外回り

13:00〜15:00 営業活動。新規の取引先候補にアポイントを取ったり、既存の取引先に顔を出したりする。

 飛び込み営業をすることもある。

 正直、営業は得意ではない。職人あがりの自分にとって、初対面の人に自分の鉄工所を売り込むのは気が重い。

 でも、やらなければ新規の仕事は入ってこない。

15:00〜17:00 材料の手配、協力会社との打ち合わせ、その他雑務。

 銀行に行ったり、工具を買いに行ったりするのもこの時間にまとめてやる。

17:00以降 残りの事務作業。


【一覧表】一人親方の1日の時間配分

ここまで紹介した3パターンを踏まえて、一人親方の1日・1週間の時間配分を表にまとめました。

業務1日あたりの時間1週間あたりの時間
工場作業(溶接・加工・組立など)6〜8時間30〜35時間
現場仕事(出張作業・取付)0〜8時間(週2〜3日)10〜16時間
事務作業(請求書・経理・メール)1〜2時間7〜10時間
営業・見積もり対応0.5〜2時間5〜8時間
材料手配・打ち合わせ0.5〜1時間3〜5時間
移動・準備・片付け1〜1.5時間7〜10時間
合計約10〜11時間約60〜70時間

こうして数字で見ると、「作業」以外に毎日2〜3時間、週で言えば15〜20時間以上を事務・営業・移動・打ち合わせに使っていることがわかります。

独立すると「作業に集中できる」と思いがちですが、実際には作業時間と同じくらい「作業じゃない時間」の段取りが経営を左右します。


時間管理で意識していること

ここからは、限られた時間で作業・営業・事務を回すために、自分が意識している3つのポイントを紹介します。

午前中を「ゴールデンタイム」にする

一番集中力が高い午前中に、一番重要な作業を持ってくる。

溶接のような精度が求められる作業は、疲れている午後にやると品質が落ちる。

逆に、グラインダー仕上げや材料の切断など、比較的単純な作業は午後に回す。

この使い分けだけで、1日の生産性がかなり変わります。

事務作業を溜めない

これは開業1年目で痛感した教訓だ。

「作業が忙しいから事務は後でやろう」と思っていると、気づいたら請求書が1ヶ月分溜まっている。確定申告の前に慌てて帳簿をつける。こうなると精神的にもかなりきつい。

今は、毎日30分でもいいから事務作業の時間を確保するようにしている。完璧にはできていないが、溜め込まないことだけは意識している。

「やらないこと」を決める

一人親方は全部自分でやるしかないが、全部を完璧にやろうとすると潰れる。

自分の場合、塗装は外注することが多い。塗装は時間がかかるし、設備も必要。自分でやるよりも塗装屋さんに任せたほうが品質も高いし、その間に別の加工作業ができる。

こうやって「自分がやるべきこと」と「人に任せること」を分けるのが大事だ。何でもかんでも自分でやろうとすると、時間も体力も足りなくなる。


一人親方が時間を作るために使っているツール・サービス

ここでは、自分が実際に使っている、または検討してよかった「時間を作るためのツール・サービス」を紹介します。一人親方は時間こそが一番のコストなので、ここをケチると逆に損をします。

① 会計・請求書まわりはクラウドサービスで一気に時短

開業当初はエクセルで請求書を作って、帳簿は手書き。これが地獄でした。クラウド会計に切り替えてから、月末の事務作業が半分以下になっています。

▶ freee会計(フリー)

個人事業主・一人親方に圧倒的人気のクラウド会計ソフト。請求書発行・経費入力・確定申告まで一気通貫。スマホでもサクサク使えるので、移動中や昼休みに少しずつ片付けられるのが大きい。

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▶ マネーフォワード クラウド確定申告

銀行口座やクレカと連携して自動で帳簿付け。仕訳の手間を減らしたい人向け。freeeと比べて簿記の知識がある人に好まれる印象。

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▶ Misoca(ミソカ)/ 弥生の請求書サービス

請求書・見積書・納品書をブラウザで作成・送付できるサービス。郵送代行もあり、得意先が増えてきた一人親方には特におすすめ。

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② 法人カード・事業用口座で経費管理を自動化

プライベートの財布と事業の財布が混ざると、月末に何時間も領収書整理に取られます。事業用カードと口座を分けるだけで、会計ソフトに自動連携できて時短になります。

▶ 三井住友カード ビジネスオーナーズ(年会費永年無料)

個人事業主・一人親方でも作りやすい法人カード。年会費無料で、freeeやマネーフォワードと連携できる。最初の1枚におすすめ。

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▶ GMOあおぞらネット銀行 法人・個人事業主口座

事業用口座として人気のネット銀行。振込手数料が安く、API連携で会計ソフトに自動取り込みできる。

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③ 一人親方の必須加入「労災保険」と「賠償責任保険」

一人親方は会社員と違って、自分で労災に入っておかないと現場で怪我をしたときに何の補償もありません。元請けから加入を求められるケースも多いので、必ずチェックしておきましょう。

▶ 一人親方労災保険(特別加入)

建設業の一人親方は特別加入できる労災保険。月数千円程度の保険料で、現場での怪我・通勤災害をカバーできる。多くの団体がオンラインで申し込み可能。

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▶ 請負業者賠償責任保険

現場で他人にケガをさせたり、物を壊してしまったときに備える保険。1案件で数百万円〜数千万円の賠償リスクをカバー。

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④ 工場・現場で時短になる道具たち

最後に、地味だけど時短になっている工具・道具を紹介します。アフィリエイトでは楽天・Amazonリンクを差し込んでいます。

  • 自動遮光溶接面:いちいち面を上げ下げしなくていいので、ちょっとした溶接の時短に効く
  • 充電式インパクト(高トルクモデル):現場での組立・分解が圧倒的に早くなる
  • 領収書スキャナ(ScanSnap):事務作業の日に領収書をまとめて取り込めば、会計ソフトに自動仕分け
  • ワイヤレスイヤホン:作業中の電話対応に必須。両手が空くだけで段取りが変わる

▶ 鉄工所の親方が実際に使っている道具まとめ

上記の工具・ガジェットは楽天市場・Amazonでチェックできます。商品リンクは順次追加予定。

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まとめ:一人親方の1日は「時間との戦い」

最後に、この記事のポイントを3つにまとめます。

  • 一人親方の1日は合計10〜11時間。作業時間は7〜8時間、事務・営業に1〜2時間、移動や準備に1時間
  • 午前を「集中作業」、午後を「単純作業」、夜を「事務作業」に分けると1日の生産性が変わる
  • 時間を作るには「やらないこと」と「クラウド・外注に任せること」を決めるのが近道

正直、楽ではないです。でも、会社員時代のように「やらされている感」はまったくない。

自分で段取りを組んで、自分のペースで仕事を回せるのは、一人親方の最大のメリットだと思います。

大事なのは、作業だけに時間を使わないこと。事務や営業の時間をちゃんと確保しないと、目の前の仕事はこなせても、経営としては回らなくなります。

このバランスが、一人親方を続ける上で一番難しいところであり、面白いところでもあるんですよね。

次の記事では、鉄工所で使う鋼材の種類と特徴について書く予定です。SS400、SUS304、アルミなど、よく使う材料の基礎知識を初心者にもわかりやすく解説するので、ぜひチェックお願いします。

親方
親方

これからも現場のリアルな話をどんどん発信していくで!

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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